歴史設置工事レポート

パイプふいご鍵盤仕組み図

 オルガンは、一台一台形や大きさから内部の構造にいたるまで、それぞれ異なっていることが大きな特徴の一つです。これは、各地域で長い発達の歴史を経てきたことにもよりますが、原則として使われる場所に合わせて作られているため、同じオルガンが無いわけです。
 練習用の小型オルガンは、時として数台まとめて作られることもありますが、やはり設置される場所に合わせて、音量の調整や調律などをするため、結果として異なったオルガンになります。
 オルガンに最低必要な要素として、パイプ、ふいご、鍵盤の3つが上げられます。

 パイプ

 パイプは大きく分けてフルーパイプ(リコーダーと同じような発音方式)、リードパイプ(クラリネットと同じような発音方式)の2種類があり、それぞれにバラエティーあふれる種類があります。
 材質は加工のしやすさから鉛や錫、またその合金が多く使われ、大きなパイプには銅や亜鉛が使われることもあります。また、ほとんどのオルガンにはスブバスやホルツゲダクトなど木製のパイプも使われており、変わったところでは竹のパイプを持つオルガンもあります。

■ ふいご
 現在では電動送風機がほとんどですが、昔は手動式ふいごを使っていました。大型オルガンでは数人の人夫を使って操作していましたが、いずれにしてもパイプを最も美しい音色で鳴らすためには適宜な風量が非常に重要で、そのために風圧を調整する様々な技術が使われています。

ふいごとふいご職人(14世紀に作られたオルガンのふいご室)

■ 鍵 盤

 たくさんのパイプに、演奏者の意志通りにふいごからの空気を送るのが、鍵盤で代表される制御機構です。
1、ウィンドチェスト
  オルガンには絶対に欠かせない大切な部分で、パイプが立ち並ぶパイプボード、音色を選ぶスライダー、音ごとに仕切られた溝、アクションの末端と成るバルブ、風箱から成ります。
2、風導管
  大きなオルガンでは、鍵盤の数に応じてウィンドチェストがありますが、ふいごや調圧箱から各ウインドチェストに空気を導くのが風導管です。風導管の断面積は、パイプへの空気の供給に微妙に影響します。
3、鍵盤
 

最近のオルガンでは、鍵盤の音域は次ぎのような構成になっています。

 
手鍵盤
足鍵盤
教会オルガン
C−g3(56音)
C−f1(30音)
コンサートオルガン
C−c4(61音)
またはC−a3(58音)
C−g1(32音)

 

 オルガンは小型でも2段の手鍵盤と足鍵盤を持つものが多く、大型になると4〜7段もの手鍵盤を備えています。
 もともとは、演奏を目的とした(音量も大きい)ハウプトヴェルクと伴奏用のポジティフオルガンに別れていましたが、設置場所も別々で、オルガニストが礼拝中に移動して使われていました。やがてハウプトヴェルクの下に(ローラーボードなどの発明により)ポジティフオルガンの鍵盤を置くようになり、様々な音色のパイプ群(稼働式のフタが付いたスウェルなど)を鍵盤に分けることにより、鍵盤交代によるエコー効果、2段の手鍵盤と足鍵盤を同時に使うトリオ奏法など、オルガン音楽の一つの特徴といえる奏法が生まれました。
 この他にカプラーと呼ばれる装置があり、複数の手鍵盤を同時に鳴らしたり手鍵盤を足鍵盤に連結することが出来ます。

4、その他
 
 鍵盤から直接バルブを動かすメカニカルアクションの他に電気アクション、風圧式アクション等があります。
 また、いくつものストップの組み合わせを記憶した電気式のフリーコンビネーションや鍵盤などの制御機構とは違いますが、風量を周期的に変化させたトレモロなどがあります。